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Sessou-no-ki : Sessou’s Blog | 染織家・葛布帯作家 雪草のブログ

2023個展「軌跡、時と」開催主旨転載

個展「軌跡、時と」 開催主旨

この度は、ご来場くださり、誠にありがとうございます。

2年に一度の開催を目標にしている個展は、今回で4回目となりました。毎回、「その時」私が制作のテーマとしていること、多くは「自身の制作の指針への問いかけ」を開催の主旨・主なテーマとしてきています。

前回開催から2年、実はずっとご依頼の帯地を織っており、いまだ全てをお納めできておりません。個展 開催も大事ですが、この2年は、ご依頼を優先してスケジュールを組んできました。そのため、今回、未発表の新作は一本もありません。

しかし、制作のテーマや自身への問いかけが変化していないかというと、もちろんそんなことはなく、特 に昨今の時代の激変に伴い、私の中でも多くが変化し、もしかすると2年前とはほぼ別人となっているかも しれません。

この度、ツキガタアートビレッジとのご縁に恵まれ、また、「新作が一本もない」こと、時代がものすごいスピードで変化している渦中であるということ、そうした偶然に必然性を纏わせ、私の中で発見したテー マが「軌跡」そして「時」でした。 人類が膨大な年月をかけて脈々と繋いできた織りの技術と営みを俯瞰し、自身の、ほぼ10年間の制作の 軌跡を辿り、捉え直し、今後の制作の方向性を見定める。

我々はなぜ衣服を身に纏うのか? そもそも衣服とは、布とは、何なのか。

今回の展示では、私の手元で使い込んだ葛布、帯を織り始めて間もない頃の拙い葛布など、とにかく今私 の手元にある葛布全てが並びます。時が織り込まれ、時を経て、新たに時を刻んでいくであろう、葛布の帯と、北海道月形に新しく生まれた ツキガタアートヴィレッジの新しい歩みと、内包する北海道の歴史と、そうしたものが交錯する場で、「帯」や「着物」、「衣服」「ファッション」の文化の今後を、私自身はもちろんのこと、ご来場者様一 人一人が模索することのできるような、そんな会としたいと思います。お気づきのことやご感想など、ぜひお伝えください。 皆様お一人お一人の「葛布の帯」そして「衣服」「ファッション」を楽しむこと、そしてその一つ一つの 積み重ねが豊かな未来を創っていくだろうことを、心から願っています。

この度の個展開催に際して、大変お世話になりました皆様、普段から大変お世話になっている皆様、そしてツキガタアートヴィレッジのスタッフの皆様に、心から感謝申し上げます。

アートという切り口から展示をさせていただけたご縁を、大変有り難く受け止めております。

2023年4月 渡邊志乃

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