2025.9.7 無事個展が終了致しました。誠にありがとうございました。会期中ご来場者様の数が徐々に増え、様々なご支援へのお礼をお伝えすることもそぞろとなっております。この場をお借りしまして、心から御礼申し上げます。
今回は開業後丸10年の節目での開催という事もあり、様々な面で正に転機であると感じることの多い展示会となりました。そのような場で、葛布帯と共に皆様にお会いできたことを大変嬉しく思います。
本当に言葉が足りずご挨拶が月並みになってしまうのがもどかしいですが、いただいたご感想やご意見を胸に、これからも存在意義のある良いものづくりに励み作り続けたいと思います。
ご購入・ご依頼いただいた皆様へは今後順次ご連絡・発送して参ります。お待たせして申し訳ありませんが今しばらくお待ちください。また、会期中の展示へのご協力を誠にありがとうございました。
以下、記録として、会場に掲示しておりました開催のご挨拶と作品のリストを転載いたします。
ご挨拶
この度はご来場いただき、誠にありがとうございます。
初めて個展を開催したのは2017年、場所はここギャラリー門馬でした。以来、2年ごとに個展を重ね、今回で5度目となります。ギャラリー門馬での開催は3度目、開業後丸10年の節目を迎えての開催となりました。このような機会に、再びこの場所で皆さまに葛布の帯地をご覧いただけることを、大変嬉しく思います。
制作において、私はいつも主に自宅の庭に育つ草木を日々観察しながら染料としておりますが、今回は特に「グレー」の色合いの違いを確かめることを軸とし、草木の生きる姿、その循環、さらには地球の営みにまで思いを巡らせて制作した作品を展示しております。そもそも、糸の素材である葛も絹も「生き物=生命」です。色や柄以前に、布そのものが生命の「転写」であるのだと、改めて感じます。
会場では布の全体をご覧いただけるよう広げて展示しておりますが、全て着物の帯地ですので、当然ながら衣服として身につけることを前提としています。アンバランスで唐突に見える柄行きも、実際に締めたとき、お着物と合わせたとき、帯締めや帯揚げが加わったとき、どこがどのように見えるのか見えないのか、どう雰囲気が変わるのか。そうした視点からもご覧いただけましたら幸いです。
ご不明な点や気になる事などがありましたら、どうぞお気軽にお声がけください。
なお、本展ではご芳名帳をご用意しておりません。今後、展示会などのお知らせをご希望の方は、下記WEBサイト(QRコード)よりメールアドレスをご登録ください。
開催にあたり、お世話になりました皆さまに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
渡邊志乃雪草葛布帯
(展示作品リスト・入り口から順に)
「ponrayta」八寸帯地
薬草ゲンノショウコの色と艶
「紫葛」八寸帯地
ノブドウの色、実の色合い、むらさきかづら
「marmeleiro」八寸帯地
マルメレイロの赤と酸味、花びらの片側だけのグラデーション
「yam」角帯地(倍幅)
栗の枝葉の色、イガのイガイガ
「Mantle 」八寸帯地
地球、その営みのフラクタル図形、内部のマントルの循環
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「白膠木」角帯地(倍幅)
ウルシ科のヌルデの色と艶、紅梅織り
「葛豆帯 1&2」七尺帯地(四寸幅)
日常にサッと締められる帯サイズのご提案、残糸や副産物を利用し制作
「山椒」六寸帯地
サンショウの枝葉の色、細かい葉、赤い外套の中の黒いタネ
「待宵草」八寸帯地
メマツヨイグサとそれを食草とするベニスズメの色合い
「DAWN」八寸帯地
厳寒期、テイネの早朝の色合い
(追記)
この度の個展と展示の布について、沢山のご好評を頂きました。そのお言葉を、数多の道具類その他を制作してくださる方々と、とりわけ経糸の座繰り糸を作ってくださる群馬県の蚕絲館さまにも、お届けしたいと思います。
注文する時に自分でも混乱しそうになるくらいに様々な種類の糸を色々に相談しながら作っていただいて、いつのまにか10年にもなっていたことに驚きます。蚕絲館さんの糸があっての葛布です。
そのことを皆様にもぜひお伝えしたいです。
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