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雪草乃記-Ⅲ

Sessou-no-ki : Sessou’s Blog | 染織家・葛布帯作家 渡邊志乃のブログ

藍染めのための灰づくり

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藍の液が発酵するには気温の高さが必要だからと、ずっと暑い夏に藍建てを行っていたが、昨年から薪ストーブを焚く時期にストーブの近くに藍甕を置いて建てることをしてみている。

夜になっても室温が20℃前後を保てるうちに建てるために、今から少しずつストーブに火を入れて灰を集める。昨年は今までにないくらいに上手くいった。色もとても綺麗だったし発酵を維持することも上手にできたと思う。

藍建てにはナラなどの硬い木の灰が必要だというので、ナラばかりを焚く贅沢。生活の一部として薪を焚く場合、ナラ薪100%は非現実的だから、焚き始め・慣らし焚きのこの時期に灰を作るのは私の暮らしのリズムの中では理にかなっており、ついでに言うと、このストーブは優れもので、単純なつくりだが本焚きをすると完全燃焼するのでナラでも灰がほとんど残らないので、そういう意味でも灰が欲しければこの時期に焚くのが良い。

ところで、藍建てには硬い木の灰でなければならない、ということの真偽が、よく分からない。「なんでも良い」という人もあるくらいだが、経験上、良い灰のほうが滞りなく藍が建ってくれるのは確かだと思う。とはいえ、良い藍染のために良い灰を、と、声高には言えない。なぜならば、硬い木はなぜ硬いかといえば育つのに時間がかかるからで、そのような木を、藍建て用の灰を取るためにだけ、その熱を利用せずただ燃やすだけとしたら、あまりにも勿体無く、長い年月をかけて生きてきた木が不憫だし、少しの灰を取るのにも大量の木が必要だから、そんなことをしていたら恐らく自然の循環からは大きく逸脱してしまう。本当に大昔から藍建てには硬い木の灰ばかりを使っていたのだろうか。