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Site icon image雪草乃記-Ⅲ

Sessou-no-ki : Sessou’s Blog | 染織家・葛布帯作家 雪草のブログ

和傘

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20年以上自宅に保管(というか玄関にほぼ放置)してあった和傘を先日ついに和傘の製造販売をされている所に引き取っていただいた。うちにあってもただ放置されるばかりで勿体無い、何かのお役に立てる方が良いと思ったからだ。今は亡き伯母が、「着物着る時に使ったらいい」と言って、着物と一緒に送ってくれたものなのだけど、私にはこのような傘を日常使いする技量がなかった。しかし開くたびにゾッとするくらいの手仕事の凄みに圧倒され、ものづくりの目標としてなかなか手放せずにいたが、この度やっと踏ん切りがついたという次第。

引取先の方に「今では見ることができない美しい漆仕上げ、48本骨の細かさ。今後の資料とさせて頂きます」と言っていただけて、良かったなと思った。

このような素晴らしい手仕事は世界中にあるのだろうと思うけれど、なぜ人類はモノにこんなに凄まじい、時に狂気じみた装飾をしたくなるのか?ということは、私の中にずっとある「ものづくりの謎」のひとつである。特にこの和傘の場合は装飾と実用が完全に一致しているところが、凄みに拍車をかけている。

写真は発送前に記念に撮ったもの。表側の骨組みに漆塗りが施されている。記録用なので見栄えは気にしてない。

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