確かに見た目には色や柄のある方が華やかなので、そちらがオモテであり、中心であると思うのかもしれない。もしくは、表側や中心には、必ず色や柄が入っていると思うのかもしれない。
しかし、葛布の場合、私の感覚では生成りがオモテでメインなのである。葛の糸は生成りが最も迫力があり、加工されていないぶん強度もあり、その生命力や揺らぎがダイレクトに伝わる孤高の存在。
よって、着物の帯としては、柄や色は生成りをより生成りらしく際立たせるための縁の下の力持ちとして存在する。
お使いになる時には、色柄の部分を、見えそうで見えないようにしたり、チラリと見せたり、あるいは全く見せずに自分だけ知っている秘密としたりして、「その時」の感覚で色々に楽しんで頂けるのではないかと考えている。

